子供のどもり(吃音)の原因は親のせい?
どもりの症状が出てしまう原因は親にあるのではないか、と思ったことがある人もいるかもしれませんね。事実、どもりは親が原因であると考えられていた時期がありました。
親がどもりを意識してしまうことで子供が吃音になるという、診断起因説という学説が唱えらえていたのですが、現在ではこの学説は正しくないとされています。
子供のどもりを改善させていくには親の支援は重要ですが、愛情がないことで吃音になるということとは意味が異なってきます。確かに、親が子供にあまりかまってあげられないとどもりを偶然発症してしまうということもあるようです。
しかし、これは本当に親に原因があるかどうか定かではなく、親が勝手に因果関係を見つけてしまい、「自分のせいで子供が吃音になった」と思い込んでしまっているだけなのです。
また、親の愛情とどもりに因果関係があると思い込んでいる人達が、親に誤った助言をすることによって、ますます責任を押し付けてしまうことになるのです。
近年では、どもりの原因は生まれ持った脳の性質にあるという考え方をされるようになってきました。脳の働きや性質についての知見が、昔より深まったおかげですね。また、少なからずどもりの原因には遺伝もあるとされています。
どもりが出てしまうのは、上記のような原因を抱えており、さらに生まれ育った環境がその性質を出しやすくするかどうか、といったことが関係しています。
親のせいで吃音になるわけではないので、子供が吃音になったら自分を責めるのではなく、どのように支援するか、ということを考えてあげましょう。